この業界に入ったのが2003年大阪です。その頃はまだまだ未熟で、他セクションとの連携や大道具の仕事の進め方を懸命に覚えようと努力してました。 始めて3年くらいでようやく仕事にも自信がついてきた頃、マドンナのワールドツアーを担当させてもらう機会があり、その演出や仕掛けの凄さに、これがエンターテイメントかと感動したのを覚えています。こんな大きな仕事に関わりたいと思い東京進出を決行したのが2007年、その時々で夢中になった演出的なものや、ステージデザイン、大道具の経験がベースとなり、より精度の高い「エンターテイメント」を創ることを追求していく今のWadyのビジョンに繋がっていったのだと思います。
演出は良くても見せ方や仕掛けの部分がイマイチだと、そのステージに立つ人や関わる方全てに悪い印象を持たせてしまう。それだけに見せ方の部分にしっかりと頭を使うことがエンターテイメントの精度を上げていく上ですごく大事な部分だと思ってますし、初めてマドンナのワールドツアーに参加した時に感じた「エンターテイメント」はそこが素晴らしかったのだと思います。現場時代に各セクションに怒られ、時には喧嘩して意見をぶつけあったり積極的に関わってきたからこそ、各セクションの希望・要望は理解できていますし、障壁をクリアしながらエンターテイメントを創ることを、楽しみながら行っています。
オファー頂く案件は同じ演出のものはほとんどなく、毎回新たに考える必要があります。「面白い!」というのは大事なのですが、そこには、時間、予算、要望、各セクションの都合、安全性など関与してくる要素が満載。その中で120%の成果を出せるように常に意識して、それを共有して答えてくれるプロフェッショナルなチーム作りが今のWadyの屋台骨を支えていると思います。全ての案件には大きな責任が付いてきますので、どうしても無難な企画に落ち着きがちですが、良いものを作ろうと思った時にそういう感覚って面白くないし、建設的な話ができないとやっぱり進歩がなく、120%の成果を出すことは難しいと思います。そういうチームは作りたくないという思いでやっています。
難しい企画が立ち上がった時に、一回Wadyに聞いてみようとお声をかけて頂くことが多いのですが、本当にうれしいです。Wadyならなんとかしてくれるのではと思って頂けているので、こちらもなんとかしたい!という気持ちが強くなりますし、Wadyに頼んでよかったと思って頂きたい。その為に常にアンテナを張って、常に新しい情報を入れたり、もっとチームを強固なものにして、いつでもどんな内容でも120%実現できる、どんなジャンルでも「美術プロデュース」力を活かしてエンターテイメントを作り上げていくこと。Wadyはそういう努力をし続けていくプロフェッショナル集団として成長していきたいと思っています。